18世紀の舞台が蘇るドロットニングホルム宮殿劇場
フランス革命(1789年)以前のヨーロッパのバレエは
たいへん大がかりで豪華絢爛な舞台装置をつかい
物語の主役はギリシャ神話に出てくる神々や
王や姫君で、今私たちが知っているバレエとは
違いました。
この動画は、BBC制作
マーゴ・フォンテーン The Magic of Danceより
1956年にメアリー・スキーピングが
当時のバレエを再振付した
「Cupid out of his humour」です。
音楽はヘンリー・パーセル作曲
スウェーデンにあるドロットニングホルム宮殿劇場で
スウェーデン王立バレエ団が踊っています。
スウェーデンにあるドロットニングホルム宮殿劇場は、
1766年にロヴィーサ・ウルリカ女王のために建てられた
劇場ですが、今も18世紀当時そのままの舞台を
体験することができる貴重な劇場です。
王宮の傍らの静かな庭園と散歩道に面して建っていて
時の国王グスタフ3世( 1746年- 1792年)によって1777年に
最初の全盛期を迎えました。
役者、作曲家、振付家、建築家の協力を得て、王はドロットニングホルムで
スウェーデンの演劇とオペラ芸術を創造しました。
しかし、1792年に、仮面舞踏会でグスタフ3世が暗殺されると
劇場の建物は忘れさられたままとなり、
そのまま100年の月日が経ったのです。
100年の眠りを覚ましたのは、文学史家のアグネ・バイエルでした。
そこには、1700年代の終わりから手つかずのユニークな劇場が見つかりました。
ロープを引いて手動で動かす舞台装置も、照明に使われていた燭台も、
なにもかも元のままのこっていたのです。
機械のロープを交換し、電灯を設置し、劇場は再開されました。
今でも18世紀の舞台装置をつかって、当時の世界そのままで
オペラや演劇、コンサートが行われています。
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