バランシン「水晶宮」Le Palais de Cristal
オペラ・バスティーユでバランシンの『水晶宮(Le Palais de Cristal)を観てきました。
あまりにも美しくて涙目になりました!
ほとんどポアントの足音が聞こえないオペラ座バレエ。
オーケストラがどんなに小さな音で演奏をしていても、
ダンサーが何十人も走り出てきてもほとんど聞こえないんです。
神業だわ・・・・
水晶宮は、1947年にジョージ・バランシンがパリ・オペラ座バレエ団のために振り付けた作品です。
宝石をテーマにジョルジュ・ビゼーの交響曲ハ長調に振付られたストーリーの無いバレエで
各楽章ごとに宝石がテーマになっています。
第1楽章:ルビー(赤)
第2楽章:ブラック・ダイヤモンド(青)
第3楽章:エメラルド(緑)
第4楽章:クリスタル(うすいピンク)
衣裳はクリスチャン・ラクロワのデザインです。
第1楽章から第2楽章まで、エトワールが主役のカップルを踊ります。
この日は
第1楽章:ルビー(赤)リュドミラ・パリエロ、 カール・パケット
第2楽章:ブラック・ダイヤモンド(青)オーレリ・デュポン、 ヴィンセント・シャイレ
30分の作品で、バレエ団のトップダンサーたちがどんどん登場するのはとにかく豪華で
本当に宝石のように見えてきました。
とてもキラキラとした作品でした。
オペラ座に「水晶宮」を振り付けた翌年、バランシンは振付に大幅に手を加えて
カラフルな衣裳も廃して、女性は白のチュチュに、男性は黒のコスチュームに改め、
タイトルは『シンフォニー・イン・C』と改めて「音楽を踊りで表現する」ことをテーマに
バレエ・ソサエティ(ニューヨーク・シティ・バレエの前身)で1948年に発表しました。
今、世界中でひろく知られているのは『 シンフォニー・イン・C 』の方で
『水晶宮』はパリ・オペラ座のレパートリーとして踊られていますが、『 シンフォニー・イン・C 』ほどは有名ではないようです。
でも、パリ・オペラ座だからこそのこのキラキラ感は、パリ・オペラ座だけのものとして
受け継がれていくのがいいなと、個人的にはそう思いました。
0コメント