言葉のない歌
バレエの発表会
準備も佳境にはいるころになると決まっていつも
なぜか私は
14歳の頃のピアノの発表会を思い出してしまいます
バロックと古典派で 「きっちり基礎固め」的なお稽古をつづけていた私が
ずっと憧れていた
ロマン派 ♡ メンデルスゾーンの無言歌から3曲を発表会で弾くことになったのです
その中の1曲がメンデルスゾーン自らが標題をつけたDuetto (二重唱)
作曲した頃のメンデルゾーンは婚約をしている女性がいたらしく
恋する男女の心理をそのまま旋律にのせたような
まさに「言葉のない歌」 「小さなな詩」のような1曲なのでした~♡
っが! 当時の私にそれを察するほどの知識も経験もあるはずもなく
ヨーロッパにも行ったことないしメンデルスゾーンの生きた時代も当時の文化も
なーんにも知らない
靴下に一生懸命ソックタッチ塗ってるような中学生
私のお稽古は、ひたすら16分音符の装飾音型を正確に弾くこと
そのなかから上声部と下声部にわかれる旋律を浮き立たせてひきこなすことに
終始していたのでした それこそメトロノームをカチカチ鳴らしながら・・・
そして発表会では そこそこ弾きました 大きなミスも特になく
なのに その時は何故かわからなかったけれど
弾き終わって舞台でペコリとお辞儀をした時のあの恥ずかしい気持ち
かみ続けて味のなくなったガムをまだかんでいるようなあの情けない気持ち
発表会が終わるまでずっと 一人でロビーでメソメソ泣いていると
知らないおじさんが慰めてくれました
「無言歌は難しい曲だからね・・・・ でもよく弾けていたよ」
それでますます ウルウル~ 泣いてしまいました (笑)
最後に撮った集合写真は目がはれて赤鼻でひどい顔でした
あの時の私の演奏は古いレコードに残っているけれど
「言葉のない歌」 には全然なっていなかった
ぼんやりではあるけれど その事に気がついて悲しくなった14歳の私
表現したい 自分の演奏をしたい という
我ながらビックリするような強い自我の芽生えや
心に描く理想の演奏と自分とのギャップにも気づくきっかけになった出来事です
そしてそして、今はまだおちびさん扱いしているジュニアちゃん達
きっとあっという間にそういう年頃になるんでしょうね~
踊ることもまた ”言葉のない歌” だなーーと感じる
そんな毎日のお稽古です
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