オペラ「ラ・トラヴィアータ」

オペラ・バスティーユで

オペラ『La Traviata ラ・トラヴィアータ』を鑑賞しました。

ヴェルディが1853年に発表したオペラで

原題のLa traviata(ラ・トラヴィアータ)とは

『道を踏み外した女』という意味です。


ちなみにオペラの元になったアレクサンドル・デュマ・フィスの

戯曲のタイトルが『椿姫』La Dame aux camélias。


日本ではなぜか「ラ・トラヴィアータ」より

「椿姫」のタイトルで上演されることが多いオペラです。


ちなみにジョン・ノイマイヤーが振付をした

バレエ版「椿姫」は、オペラとの関連性はあまりなく

戯曲を元にショパンの音楽に振付られています。


私は、先にノイマイヤー版バレエ「椿姫」を観ていて

オペラ「ラ・トラヴィアータ」は

この日が初めの鑑賞した。


そして、その結果は

原作は同じでもバレエとオペラでは

全くの別世界でした。


この日のディーバは、ディアナ・ダムラウ

ドイツのソプラノ歌手で、パリ・オペラ座ではこの公演が

初出演でした。


情感の溢れる圧巻の歌声で

オペラ通ではなくても、一度は耳にしたことのある

乾杯の歌などの名曲が次々と歌い上げられて


ただもう、ず~っとウットリと聴き惚れていました。


パンフレットに載っていた

フィリップ・デュピュイのイラストが

とっても気に入りました。


オペラには歌詞があり、芝居の要素もあり

言葉による説明ができないバレエと比べると

戯曲を元にした作品では

より細やかな心情や、複雑な人間関係などを

表現することができると思います。


「文学と演劇」「音楽と舞踊」

そう分類するとすれば

オペラは歌うことによって

その両方を兼ねることができるような

そんな気がしました。


特に

ジェルモン(アルフレードの父)が、ヴィオレッタに

「息子と別れてくれ」と頼みにくるシーンにとても引き付けられました。


歌の中での二人のやりとりはこんな感じです。


ジェルモン

「あなたのおかげで、息子の将来は破滅に向かっている。

全財産をあなたに譲ろうとしている。」


ヴィオレッタ

「そんなことはありません。本当は秘密にしたかったのですが

反対に私の全財産が彼にいく証文を作りました。

私はもう過去はすべて忘れました。今は彼だけを愛しています!」


ジェルモン

「そうでしたか。だが、あなたと息子が付きあっていることで、

娘の縁談が破談になりそうなのです。どうか娘のために、辛いかもしれないが

息子と別れてくれませんか?」


ヴィオレッタ

「私は病魔に侵されていて、もうこの命も残り少ないというのに。

せめて私を娘として抱きしめて下さい。」


そして二人は抱き合い、ヴィオレッタはアルフレードのもとを離れることを決心。


イタリア語で歌われているので、

言葉の意味が理解できていないのに

胸を締め付けるものが!


このシーンだけは、バレエでは描き切れない

そう感じたことを覚えています。


ちなみに

この日は撮影クルーが入っていました。

上に貼ってはるYoutubeの映像は

この日の上演です。

YURI ecole de ballet contemporain

ユリ・エコール・ド・バレエ・コンテンポラでは ひとりひとりの個性を大切に 基礎を大切に クラシックバレエと コンテンポラリーダンスの 指導をしています